火災保険「取りすぎ防止」へ区分変更 住宅の6割、値上がりも
損害保険各社が火災保険を一斉に見直す。過去に起きた保険料の取りすぎ問題の再発を防ぐため、住宅構造の審査方法や区分などの仕組みを大幅に簡素化し、新しい保険料を来年1月から適用する。契約時の手続きや保険金支払いは分かりやすくなるが、区分変更に伴い全住宅のうち約6割で保険料が値上がりする可能性がある。家計の節約志向が強まる中、各社は値上げに理解を求めるのに苦労しそうだ。
今回の見直しは、保険料の目安を決める「損害保険料率算出機構」が火災保険の料率体系を大きく変更したことを受けた措置。従来は柱や屋根、壁などの材質をもとに建物の構造を4区分に分類して区分ごとの保険料を決めていた。新体系では原則として柱の材質だけで「マンション」「耐火」「非耐火」の3区分に分ける。分類を間違えて保険料を取りすぎるのを防ぐのが狙いだ。
(2009年10月3日 日本経済新聞)